目次
- DPDの主な故障症状
- 主な原因と思われる部品
- 部品ごとによる説明
- 総論
- 故障事例
DPDの主な故障症状
- DPDの過捕集による詰まり
- DPD温度異常
- DPD再生未完
- その他
言葉はメーカーによって違いますが内容は
同じだと思います。
基本的にDPDの再生工程の最初の暖気と
燃焼行程で温度がしっかり上がるかすすが
出てないかが大事になります。
主な原因と思われる部品
- 差圧パイプの詰まり
- 水温の不良
- エキゾーストシャッターの不良
- DPDフィルターの劣化
- DPDフィルターの溶損
- インジェクターの不良
- サプライポンプの不良
- EGRバルブの不良
- 初期コンピーターの設定不良
- 再生用インジェクターの不良
- その他
部品ごとによる説明
- 差圧パイプの詰まり
差圧パイプが詰まると正規の差圧がわかり
ません。差圧パイプにサイドブレーキの
ワイヤーなどを通して詰まりを取ります。
それでも取れない場合は火で炙りパイプ
の中の詰まりをエアーで飛ばします。
差圧パイプの詳しい説明はこちらから
- 水温の不良
水温をしっかりあげて規定値まで上がる
かアイドリングで下がらないかを見ます。
水温が上がらずアイドリングで下がる場合
はサーモスタットが不良です。
水温が上がらないとマフラーの温度が上が
りません。
81℃から88℃ぐらいの間だと問題ないと
思います。
イスズのエルフでは水温系の針が半針
下がっただけでもダメなのもありました。
- エキゾーストシャッターの不良
シャッターの作動点検をして固着と錆に
よるかみこみがないかを見ます。
錆による閉度不良もたまにあります。
バキューム式のタイプはダイヤフラムの
穴あきによる閉度不良も考えられます。
バキュームテスターを使って点検しま
しょう。
また車種によってはシャッターの開度調整
で噴射量を調整するのもあります。
DPR再生時の噴射量調整はこちらから
- DPDフィルター部の劣化
経年劣化でフィルターの性能が落ちて温度が
上がらず燃焼できなくなりフィルターが詰ま
ってしまう。
フィルターの交換になります。
- フィルターの溶損
フィルター内部が熱で溶けてダメになって
いる状態です。実際に分解して内部を見て
判断します。
溶損の場合は交換になります。
- インジェクターの不良
しっかりした噴射ができないと温度があげ
られません。
またすすの量が多くなり詰まりの原因になる。
スキャンツールでインジェクターの補正値が
基準値にあるか点検します。
サプライポンプの数値も点検しましょう。
エキパイに再生用のインジェクターがある
ものもあります。
- サプライポンプの不良
スキャンツールを使い数値を点検します。
圧送不良によりインジェクターの噴射が
うまくいかずマフラーの温度が上がらない。
すすが出やすくなる。
- EGRバルブの不良
EGRバルブにPMがたまり固着して開いてい
る状態になるとマフラー側の温度が上がらな
くなります。
- 初期コンピュータの設定不良
コンピュータの制御不良により再生が終了
しない状態になる。これはイスズの4トン
車のフォワードでありました。
不良個所を修理しても症状が変わらないので
ディーラーさんで見てもらいプログラムの書
き換えをしてもらいました。
形式はTKG-FRR90ですが大丈夫な車両もある
そうなので参考までに。
- 再生用インジェクターの不良
エキパイに付いている再生用のインジェクターの
噴射不良によるマフラーの温度が上がらないのと
すすが多く出るため詰まりの原因になる。
総論
点検するところは多いいですが温度が上がる
か、すすが出ているかのポイントを押さえな
がら点検していくのがいいと思います。
他にもあったり間違いもあるかもしれません
が参考までにどうぞ。
DPD,DPF、DPRの説明はこちらから
故障事例
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