- 目次
- 参考車種データ
- 実際の症状
- 作業内容
- 結果
- 感想
参考車種データー
車名 | キャンター |
形式 | PDG-FE74DV |
原動機 | 4M50 |
初年度 | 不明 |
走行距離 | 不明 |
DPFの詰まり点検説明はこちらから
DPDを参考にした故障個所の推測と
原因の点検手順はこちらから
実際の症状
DPFランプ点滅及びE/Gチェックランプ点灯
作業内容
① ダイアグコード点検
スキャンツールを繋いでダイアグコード点検
ダイアグコード | チェックランプ | 内容 |
P1421 | 橙 | DPF異常1(早期目詰まり)
エンジンECUが認識する粒子状物質(PM)推積量が規定値以上(目詰まりレベルが低) フィルター前後の圧力差が規定値以上 |
P1422 | 橙 | DPF異常2(早期目詰まり)
エンジンECUが認識する粒子状物質(PM)推積量が規定値以上(目詰まりレベルが低~中) フィルター前後の圧力差が規定値以上 |
P1442 | 橙 | 自動再生失敗(複数回)
DPF自動再生異常のダイアグコード(P1412~P1415)が規定回数発生する |
P1445 | なし | 自動再生2NDステージタイムアウト(1回)
DPF自動再生の通算時間が一定時間経過しても終了しない (ダイアグコードP1445とP1446は同時に発生する) |
P1446 | なし | 自動再生2NDステージタイムアウト(複数回)
DPF自動再生の通算時間が一定時間経過しても終了しない (ダイアグコードP1445とP1446は同時に発生する) |
② ダイアグコードを参照に各箇所点検
基本的な部品を点検
水温の上がり具合 | 異常なし |
エキゾーストブレーキシャッター作動 | 異常なし |
DPFの異常コードでフィルターの目詰まりが
あり走行距離も伸びていたのでDPFの
OH(オーバーホール)を提案。
③ DPFのOH(オーバーホール)
黒煙及びアッシュ多量にあり。
溶損等はなし。
④ 差圧パイプの詰まり点検清掃
詰まりあり清掃にて詰まり除去。
差圧パイプの点検清掃はこちらから
⑤ エンジン側の黒煙点検
DPFが付いてない状態で黒煙が出てないか
点検、異常なし。
⑥ DPF関連情報リセット
DPFの関連情報とダイアグコードをリセット
⑦ DPF強制再生実施
DPF強制再生を実施しようとDPFのS/Wを
押したが再生始まらず。
エンジンの水温が60℃以上じゃないとS/W
押せないことが判明。
水温を83℃まで上げて強制再生実施。
40分経っても再生終わらないので再点検。
⑧ 再点検
再生時に排気ブレーキシャッターが閉まり
アイドルアップする様子がないのが確認
できたので再度シャッター点検を実施。
シャッターカバーを外し排気ブレーキを使い
作動点検、異常なし。
今度は強制再生時にシャッターが動いている
か点検をしたら動かず、手で少し押してみたら
シャッターが「スー」とゆっくり上がって
再生が始まった。
シャッターのダイヤフラムにピンホールが
あると思われるのでバキュームテスターで点検
したら閉じていたシャッターが時間がたつと
開いてしまったのでシャッター不良が判明。
⑨ シャッター交換
⑩ 再度強制再生実施
再生が25分で無事完了。
結果
排気ブレーキシャッターが強制再生時に作動
しなかったために再生ができずにDPFが
詰まったものと思われる。
排気ブレーキシャッターの作動を確認して
いたがこの事例の後からはシャッターに
バキューム漏れがないか確認するようになり
ました。
バキューム漏れはテスターを使う以外にも
シャッターを閉じた状態でバキュームパイプ
を手で塞げば確認できます。
参考までにどうぞ
DPD,DPF、DPRの説明はこちらから
故障事例
イスズのエルフ DPD再生中にサブタンクの水が溢れて水温計上がる