- 目次
- 参考車種データ
- 実際の症状
- 作業内容
- 結果
参考車種データー
車名 | エルフ |
形式 | 不明 |
原動機 | 4JJ1 |
初年度 | 不明 |
走行距離 | 不明 |
実際の症状
引き取り時に走行中の加速不良はなかったが、
信号待ちの時にE/G止まることがあった。
作業内容
① ダイアグコード点検
過去コードで何か異常コードが出てないか
点検したが異常なし。
② データモニターで各数値点検
データーモニターで目標コモンレール圧力と
実コモンレール圧力を点検。
数値に異常もなく、目標圧力と実圧力の追従
もしっかりできている。
③ スロットルボディー点検
スロットルボディーのセンサー特性不良を
疑ったので、データモニターで数値を見ながら
実際のスロットルの動きを見て数値と連動して
いるか点検。
しっかりと連動している。
④ エアクリーナ点検
エアクリーナの詰まりによる吸気量不足を
疑ったが汚れ等なし。
せっかくなので、掃除をして取り付け。
⑤ 燃料系統点検
燃料 | 目視と触診で軽油が入っていることを確認。 |
燃料タンク | 目視にてタンク内部にゴミ等異物なし。 |
燃料パイプとホース | パイプとホースに亀裂やひび割れ等なし。 |
燃料エレメント | 交換履歴を点検したが定期的に交換している。
各ドレーン、ブリーザー緩み等なし。 燃料エレメントが2個付いているタイプで プラスチックケース側の燃料がエレメントに 付くぐらいしか入っていないのを確認した。 |
各パイプとホースに異常がなく、エレメントの
ブリーザー等の緩みもないのですが、
燃料エレメントに空気が入っていたので、
燃料系統のエアー混入があると判断。
プライミングポンンプを突いたら燃料
エレメントケースに燃料が満たされていくの
が確認できた。
また、E/G始動させてアイドリングで放置して
いても燃料エレメントケース内の燃料はへらな
かったが、E/G2000回転ぐらいを数分保って
いたらじわじわとケース内の燃料が減ってきた。
⑥ 燃料系のエアー混入点検。
燃料タンク側から各ホースをビニールホースに
変えていきどこでエアーを吸い込んでいるか点検。
燃料エレメントまで点検をしたがエアーの吸い
込みを確認できず。
燃料エレメントケースに問題があるかもしれな
いので交換を提案。
⑦ 燃料エレメントケース交換
燃料エレメントケース交換後に再度E/Gを
2000回転にして数分保っても燃料が減ら
なかった。
⑧ 試運転
スチームを掛けてきれいに掃除。
走行時に特に問題等なし。
試運転後に燃料エレメントケース内の燃料を
見たらまた減っていた。
後考えられるところはケース本体の取り付け
ぐらいだったので、そっくり交換を提案。
⑨ 燃料エレメントケースの取り付け部をそっくり交換。
燃料ケース取り付け部を部品で頼むとケースと
エレメントもそっくりついてきた。
ケースとエレメント交換していたがそっくり
交換することに。
⑩ 再度エアー混入点検
また、E/Gを2000回転に保ち、数分置いて
燃料の減り具合を点検。
減りなし。
⑪ 再度試運転
スチームで掃除をして、再度試運転を実施。
走行時に問題なし。
⑫ 再度点検
燃料の減り具合点検異常なし。
漏れ締め忘れ等もないのでこれで修理完了。
結果
燃料エレメントケースの取り付け部に何らか
の不具合があり、そこからエアーの混入が
起こってしまったことが原因と思われます。
燃料エレメントケースが透明なプラスチック
ケースでできていなければ、エアーの吸い込み
は非常にわかりにくかったと思います。
また同じような部品を交換して部品代等余分に
掛かってしまいましたが一つずつ悪いと思われる
ところを直しながらの点検方法だったので仕方ない
と思っています。
今回の事例があるので次回からの作業は短縮
されるはずなので。
参考までにどうぞ。
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