トラック整備

三菱ふそうファイター6M60エンジンの噴射ポンプを外すと壊れる

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目次

1 車両データ

2 作業内容

3 結論

1 車両データ

古い年式のファイターでE/Gが6M60の

噴射ポンプのタイプの車両

(サプライポンプではない)

2 作業内容

エアーコンプレッサーのオイル漏れの修理

エアーコンプレッサーのオイル漏れの

修理のために噴射ポンプを取り外して、

組付け後にE/Gが始動しない。

タイミングのずれを点検したが異常なし。

燃料系のエアー抜きをしたが異常なし。

噴射ポンプが燃料を吸い上げているかを

目視で点検したが、

勢いはないが吸い上げている。

噴射ポンプの電気系統を見てみたが

異常らしいものはなかった。

さっきまで異常なくE/Gが始動していたので

噴射ポンプが壊れるとは考えにくかった。

ポンプ屋さんに電話して聞いてみたが、

「取り外しで壊れることはまずない」

といわれる。

噴射ポンプの取り外し作業で

E/Gが始動しなくなった事例が

会社内であったので担当者に状況を確認。

ポンプ不良のため

ポンプ交換で解決したとのこと。

噴射ポンプを新品に交換したら無事に

E/Gが始動できた。

試運転をして走行に異常がないことを確認。

 

3 結論

最終的には噴射ポンプの不良だったのですが、

交換した噴射ポンプを

ポンプ屋さんに点検して

もらったがどこも悪いところはないと

報告を受けました。

実際に噴射ポンプを交換したら

E/Gが始動できたので、

噴射ポンプの脱着作業時に

噴射ポンプ内の燃料が抜けてしまうことで

何かしらの不具合が生じると思っています。

(噴射ポンプ内部の経年劣化も原因と考えられる)

年式が古くお金をあまりかけたくない車両のため、

50万近い噴射ポンプの代金が見積りに

入っておらず、常務にすごく怒られました。

家に帰ったのは夜中の2時近くで

「心も体もクタクタ」で非常に落ち込みました。

この経験があるので噴射ポンプを取り外す作業が

ある時は壊れる可能性があることを

お客様に報告するようにしていました。

さすがに壊れていない部品を外して

50万近い出費が出るのはきついですからね。

参考にどうぞ。

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