インジェクターの説明
- インジェクターの基本役割
コモンレール式のインジェクターは噴射量の
制度を向上させるために流量情報をIDかして
各気筒の噴射量を最適化する。
またバラツキをなくすために全ての圧力域で
噴射量の分散制御をして燃焼効率の向上と
排気ガスの削除及び出力の安定に貢献している。
- インジェクターの多段噴射
① パイロット噴射
事前に燃焼室に混合気を作り、着火性を高めて
ディーゼルノックと騒音を抑えシリンダーへの
ダメージ軽減している。
噴射される燃料は薄いので自己着火しない
② プレ噴射
燃焼のきっかけをとなる火種を作り着火性を
上げて燃え残り(PM)をを出にくくする。
③ メイン噴射
主力となる噴射
④ アフター噴射
メイン噴射の後の噴射で燃焼したガスにもう
一度噴射して燃え残り(PM)を燃やし切る。
⑤ ポスト噴射
排気管へ燃料を送るための噴射でシリンダー
で燃料を燃やすことが目的ではない。
インジェクターのIDコードの説明
- IDコードがある理由
インジェクターには個体差がありコモンレール式
のエンジンではインジェクターの特性をエンジン
コンピューターに記憶させなければ正常に作動し
ません。そのためにIDコードを設けています。
- インジェクターのIDコードを登録する作業
① インジェクターの交換
② コンピューターの交換
③ エンジンASSYの交換
上記の作業の後には必ず外部診断機を使い
インジェクターのIDコードを書き換えましょう。
- IDコードを登録しないと起こりうる現象
① 異常振動(ディーゼルノック)
② 気筒失火
③ ラフアイドル
④ 吹け上がり不良
⑤ レール圧の異常
⑥ 補正値の乱れ
⑦ 排気ガスの悪化
⑧ DPDの詰まり
⑨ その他
IDコードの書き換えをしなくても故障コード
は出ませんが上記のような症状が出ることも
あるので作業後は必ず書き換えましょう。
インジェクターの点検方法
- 外部診断機で補正値を点検
ECMはエンジンの回転ムラやバラツキ
をなくすために各気筒のインジェクターに
燃料補正(増量や減量)を掛けます。
この補正値の値を外部診断機を使い基準値の
範囲か点検します。
第1気筒燃料補正値 | 3.0 mm |
第2気筒燃料補正値 | -1.5 mm |
第3気筒燃料補正値 | -8.0 mm |
第4気筒燃料補正値 | 1.2 mm |
インジェクターの補正値はアイドリング時のみ
かけているものでアクセルを踏み回転を上げれ
ば補正はゼロになります。
また補正値はバルブクリアランスによっても
変わってくるので注意しましょう。
総論
エンジン不調、エンジン掛からない、
エンジン逆回転する、DPD過捕集など
インジェクターが原因の故障は多いいですが
バルブクリアランスの不良による補正値の不良
もあるのでインジェクター交換時は必ずバルブ
クリアランス調整をしてIDコードの書き換えを
しましょう。
ポスト噴射なんですが配管に再生用の
インジェクターが付いているとないかもしれません。
自分の知識内でやっているので間違いもあると
思いますが参考までにどうぞ。