目次
- サプライポンプの基本作動
- サプライポンプの点検方法
- SCVの基本作動
- SCVの点検方法
- 学習値リセット
- 総論
サプライポンプ
- 基本作動
燃料をコモンレールに供給している部品です。
サクションコントロールバルブ(SCV)と
燃料温度センサーが電子部品としてありECU
が目標コモンレール圧力を確保するために
SCVに電流(ディーティー制御)を流して
燃料の流量を調整することで目標のコモン
レール圧力を確保する。
- 点検方法
外部診断機を使いデータモニターで
目標コモンレール圧と実コモンレール圧の
レスポンスを見る。
目標コモンレール圧 | 32.3 | MPa |
実コモンレール圧 | 32.5 | MPa |
良否判定のポイント
エンジンの回転数による変動で判断をします。
アクセルをあおって目標コモンレール圧に対して
実コモンレール圧が瞬間的に追いつくか見ます。
実際に見ていると目標値に対して実圧が半呼吸
おいてから追いついてくるような感じです。
SCV
- 基本作動
SCV(サクションコントロールバルブ)は
目標コモンレール圧に到達するためにSCVの
デューティー比(通電時間)を制御して
サプライポンプに供給する燃料の量を調整する。
主にサプライポンプに付いていて単品で部品
が出ないものが多いいです。
デューティーとF/Bが下がるとコモンレール圧が上がる
SCVデューティー | ⇩ 32 | % |
SCV F/B | ⇩ 960 | mA |
目標コモンレール圧 | ⇧ 31 | MPa |
実コモンレール圧 | ⇧ 31 | MPa |
デューティーとF/Bが上がるとコモンレール圧は下がる
SCVデューティー | ⇧ 32 | % |
SCV F/B | ⇧ 960 | mA |
目標コモンレール圧 | ⇩ 31 | MPa |
実コモンレール圧 | ⇩ 31 | MPa |
SCVがオフの時に最大吐出量になる。
SCVがオンの時に最小吐出量になる。
- 点検方法
外部診断機を使いデータモニターで
SCV駆動デューティーとSCV駆動F/Bの
振れ幅を見ます。
SCVデューティー
アイドル時は30~40%の範囲で振れ幅5%以内。
SCV F/B
アイドル時に900~1100mAの範囲で振れ幅
100mA以内。
150mA以上の振れ幅でアイドリング不調
になります。
SCV駆動デューティー | 36 | % |
SCV駆動 F/B | 1030 | mA |
「SCVデューティー」と「SCV F/B」は
反比例の関係にあります。
サプライポンプとSCVの交換時には学習値リセット
ECMはSCVの劣化に応じて補正を掛けています。
この補正量を学習しているので下の部品を
交換した時は初期化が必要です。
- SCVの交換
- サプライポンプの交換
- ECMの交換
上記の部品を交換後学習値のリセットを
しないとコモンレール圧力を適正にでき
ないので
- 始動不良
- ラフアイドル
- 吹け上がり
- ディーゼルノック
- その他
が発生してしまうことがあります。
これは交換前の部品の補正値で指示を出し
てしまうからです。
総論
データモニターで数値を見て判断して
いくのですが基本的部品の燃料エレメントも
大事になっていきます。
イスズのエルフを意識して作りましたが
他の車種でも大きな違いはないと思います。
参考までにどうぞ。