整備士基本技術

各パイプの脱着方法 基本整備技術

投稿日:2020年2月28日 更新日:

 目次

  1. フクロウナットタイプのパイプ脱着
  2. Iボルトタイプのパイプの脱着

フクロウナットタイプのパイプの脱着

  • パイプ取り外し

基本的に使う工具はスパナ及びモンキーレンチです。

フクロウナットが付くところは基本的に

ジョイントコネクターが付いていると思います。

フクロウナットだけ緩めるとジョイントコネクターが

一緒に緩まりパイプが捻じれることがあります。

そのまま緩め続けると最悪パイプがねじ切れます。

これはフクロウナットとジョイントコネクターで

パイプが締め付けられて一体物になっているからです。

フクロウナットとジョイントコネクターの両方に

スパナまたはモンキーをかけてジョイントコネクター側を

しっかり押さえてパイプの捻じれを見ながら

フクロウナット側を緩めます。

緩めたときに工具と工具が重なり合う方向に

力を掛ければ大きな力がかけられます。

これは人間の体の構造上、力がはいるからです。

これでも緩まない場合は工具にパイプを掛けて緩めます。

これでも固くて緩まない、コネクターも一緒に緩む、

ナットが緩んでる感じが変な感触の場合は、

ナットの中が固着してナットが動かなくなっています。

まわりに焼ける物がない場合は火を使って

ナットを焼いて固着を取る。

もしくは反対側の取り付けから緩めて外す方法で対応します。

ナットを焼いても再使用できます。

  • パイプの取り付け

まずパイプ及び取り付け部の掃除をしてごみ等ないようにします。

フクロウナットが固着していた場合はナットの固着を取ります。

固着をしっかりとらないとナットをねじ山に付ける時に

ナットが硬くて手で回らずセンターがでなくてねじ山を壊して

しまうからです。

フクロウナットにCRC等を付けて滑りをよくしナットを

工具でまわして手で動くようになるまで固着を取ります。

掃除ができて固着が取れたらパイプをつけます。

センターをだしながらナットを手でまわしてねじ山を

壊さないようにくわせます。

この時うまく入らない時はパイプのセンターが出てないので

目視で確認してセンターが出るようにパイプ側を動かしましょう。

ナットが付いたら緩めたときと同じ工具の使い方をして締め付けます。

Iボルトタイプのパイプの脱着

  • パイプの取り外し

パイプが目玉になっていてIボルトで止まっているので

Iボルトを外します。

Iボルトを緩める時にパイプが緩め方向に捻じれることがあります。

捻じれているのに気ずかないで緩め続けるとひび割れたり

亀裂が入ることがあります。

しっかり目視で捻じれてないか確認しながら緩めます。

もし捻じれてきてしまったらIボルトとパイプの当たり面が

固着しているのでCRCを付けてパイプが捻じれない範囲で

締めたり緩めたりを繰り返して固着を少しでも

取れるようにし、ゆっくり様子を見ながら緩めていって

大丈夫ならそのまま緩めます。

まだ捻じれるようならもう一回締め直し

捻じれ具合を見ながら工具を叩くなどして瞬間の力で緩めます。

これは慎重にやらないと一瞬でパイプが捻じれてひびが入ります。

このやり方でも捻じれる場合は捻じれるところを

モンキーまたはプライヤー等で押さえながら壊す覚悟で緩めます。

最初捻じれ始めてもひび割れ等がはいらない範囲なら

そのまま様子を見ながら緩めきりましょう。

ひび割れ等してしまったらパイプを交換しましょう。

またフェールポンプなどはIボルトが付くところが

アダプターになっていて一緒に緩んでしまって

パイプが捻じれてしまうことがあります。

この場合はアダプター側を抑えて緩めるのですが、

取り付けのところが薄いナットのタイプもあるので

薄い幅のスパナで押さえてIボルトを緩めます。

これのために工具を削って作ったりもしました。

  • パイプの取り付け

パイプ及び取り付け部、Iボルトを掃除して

パッキンを新品に変えて取り付けます。

パッキン類は必ず新品に変えましょう。

締め付ける時にも捻じれ具合を見ながら締めます。

締め付けでひびが入ったり亀裂が入ったりすることは

ないと思いますが様子を見ながら締めてください。

もっといいやり方もあると思いますが、

参考になればと思います。

その他の基本整備技術はこちらから

トラック整備 見出し2



トラック整備 見出し2



-整備士基本技術

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

トラックのマニュアル車クラッチオイル交換とオイルタンクの位置

上記の図はクラッチブースター 目次 1 注意事項 2 クラッチオイルの場所 3 オイル交換方法 4 まとめ 1 注意事項 今回の説明は基本的な マニュアル車両のことであり、 特殊なセミオートマ等に関し …

トラックのエンジンオーバーヒートと水温が上がる原因を考察

目次 1 E/Gの冷却で大事なこと 2 水温が上がる原因におもに考えられるのもの  3 各部品ごとの説明 4 感想 1 E/Gの冷却で大事なこと ① しっかりと冷却水がラジエーターに入っていること ② …

エンジン吹き返し点検の基本的な流れ

目次 1 注意事項 2 吹き返しの原因と思われるもの 3 エンジン吹き返すとどんな症状か? 4 吹き返しの点検をするときの状況 5 お客さんに車の状態を確認しましょう! 6 実際に吹き返しているのか点 …

大型トラックのブレーキダイヤフラムとホイールパークの漏れ点検方法

目次 1 ブレーキの構造説明 2 ダイヤフラムからのエアー漏れ点検 3 ホイールパークからのエアー漏れ点検 1 ブレーキの構造説明 まずブレーキの構造を理解すると どのように点検すればいいかが わかり …

エアータンクにオイル混入がおきる原因を考察

目次 1 主に考えられる原因 2 各部品ごとに説明 3 おすすめ整備順序 4 まとめ 1 主に考えられる原因 1 エアドライヤー 2 エアコンプレッサー 3 E/G本体 2 各部品ごとに説明 1 エア …