- 目次
- 参考車種データ
- 実際の症状
- 作業内容
- 結果
- 感想
参考車種データー
車名 | ファイター |
形式 | 不明 |
原動機 | 6M60 |
初年度 | 不明 |
走行距離 | 不明 |
実際の症状
車検整備の引き取り時にクラッチの遊びが
極端に多く、クラッチペダルを踏みこんで
2㎝ぐらいペダルを上げたら半クラッチの
位置になり、切れが悪いためギヤの入りも
悪かった。
作業内容
① クラッチが下で繋がる原因を考察
クラッチが繋がる位置が極端に下だったので、
クラッチの遊びが極端に多いと判断。
② クラッチの遊びを点検
クラッチペダルの遊びを点検して異常なし。
車両の下側に潜りクラッチブースターの
ストローク量(遊び)の点検を実施。
ストローク量(遊び)が少ししかなかった。
(遊びが少ない状態)
ペダル側のクラッチが繋がる位置と
ブースター側のストローク量(遊び)が
正常の車両と違い「ズレ」ていた。
ペダル側のクラッチが繋がる位置が下なので、
正常ならブースター側のストローク量(遊び)
は多くなくてはいけない。
③ クラッチの遊びの「ズレ」を考察
引き取り時にギヤの入りが悪いことが、
あったので、ブースターのストローク量
(遊び)をなくなるまで調整してみた。
クラッチペダル側で遊びを確認したら、
繋がる位置は正規の位置ぐらいに
調整できていた。
ギヤの入り具合を点検してギヤの入りが
改善されていることを確認した。
今度はブースターのストローク量(遊び)を
正規の位置に調整してペダル側で繋がる位置を
点検したらクラッチが切れずギヤが
入らなかった。
ギヤが切れることが大事なので、ブースターの
ストローク量(遊び)をなくした状態でさらに
点検を進めることに。
④ 油圧系かクラッチ関係かを判断
油圧がしっかりかからないためにクラッチが
切れないのかを点検。
クラッチマスター、クラッチブースターに
漏れはなくオイルタンクにもしっかりオイルが
入っている。
内部リークの点検を実施。
クラッチペダルの動きに合わせて追従するように
ブースター側もしっかりと動いていた。
クラッチ関係の部品に何かしらの異常があると判断。
多分クラッチカバーの異常だと思われる。
⑤ クラッチOH(オーバーホール)を実施
クラッチをオーバーホールして、
古いカバーを点検したらスラストベアリングの
当たる爪の部分の減り方が均等ではなかった。
OH後にクラッチ調整をして点検すると
ペダル側のつながる位置も正規の位置に
なっていた。
⑥ 試運転
試運転にてギヤの入りも異常がなかった。
車検整備も同時進行で作業して無事に完了です。
結果
クラッチカバーの爪が異常で
スラストベアリングにうまく当たって
いなかったと思われます。
クラッチカバーの爪がスラストベアリングを
押してしまいクラッチの遊びがなくなったと
推測しています。
参考までにどうぞ