トラック整備 整備士基本技術

トラックのマニュアル車クラッチオイル交換とオイルタンクの位置

投稿日:2020年5月30日 更新日:

上記の図はクラッチブースター

目次

1 注意事項

2 クラッチオイルの場所

 オイル交換方法

4 まとめ

1 注意事項

今回の説明は基本的な

マニュアル車両のことであり、

特殊なセミオートマ等に関しては

対象外とさせていただきます。

2 クラッチオイルの場所

1-1 小型(2トン車)バキューム式

ブレーキオイルとクラッチオイルのタンクが

一緒になっており室内の運転席側の

パネル内にある。

1-2 中型(4トン車) エアーオーバー

小型車と違いブレーキとクラッチの

オイルタンクは別々についている。

ブレーキタンクがだいたい右側の

エアータンクの近くにあり

クラッチのオイルタンクは

キャブのフロントパネルを開けた

運転席側にある。

1-3 大型トラック

大型トラックのブレーキは年式によって

ブレーキオイルも使うが、基本的に

フルエアー式でブレーキオイルを使わない。

クラッチオイルも中型車と一緒で

キャブのフロントパネルを開けた

運転席側にある。

3 オイル交換方法

3-1 注意事項

基本的に作業は2人でやりましょう。

1人が運転席に乗り、クラッチペダルを踏む。

もう1人が下に潜りオペレーチングもしくは

ブースターからクラッチオイルを抜く。

3-2 作業工程

① クラッチオイルタンクにオイルをに入れる

MAXレベルまでしっかり入れること。

入れすぎるとクラッチペダルを

踏んだ時にオイルがこぼれます。

② クラッチペダルを踏んでもらう

バキューム車(2トン)は

ペダルを3回踏んで3回目は

踏みっぱなしにする。

エアーオーバー車(4トン、大型)も

クラッチペダルを3回踏んで

踏みっぱなしの状態で1人に合図を送る。

③の工程が終わるまで絶対に

ペダルから足を離さない。

③ オペレーチングまたはブースターからオイルを抜く

オペレーチングまたはブースターの

ブリーザーを緩めてオイルを抜く。

バキューム車であればクラッチペダルが

「スー」と一番下まで踏めるようになる。

クラッチペダルはまだ踏みっぱなし。

オイルが抜けたらブリーザーを締め付けて

もう1人に合図を送る。

④ 再度クラッチペダルを踏む

③の工程でブリザーを締め付けた合図を

もらったらペダルから足を離し

フリーにして3秒ほど待ちます。

3秒たったら再度②の工程を実施する。

オイルが減るのでLOWレベルになる前に

こまめにオイルを足しながら実施。

オイルを切らしてしまいエアー混入すると

非常にめんどくさいので注意してください。

⑤ オイルが綺麗になるまで①~⑤を繰り返す

上記のやり方でオイルが

綺麗になるまで繰り返し、

絶対にオイルタンクを

空にしないように注意する。

⑥ クラッチの状態点検

オイル交換が終わったら

クラッチの切れとつながり具合を確認し

異常がなければ完了です。

4 まとめ

 作業時は二人でやる。

 声を掛け合いミスをしないようにする。

3 合図があるまでクラッチペダルを離さない。

 合図があるまでブリザーを緩めない。

 クラッチオイルはLOWレベルになる前に足す

参考までにどうぞ

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