目次
- 参考車種データ
- 実際の症状
- 作業内容
- 結果
- 噴射量についての補足
参考車種データー
車名 | エルフ |
形式 | 不明 |
原動機 | 4HL1 |
初年度 | 不明 |
走行距離 | 不明 |
実際の症状
アイドリングで荷物の積み下ろし中に
サブタンクの水の量が増えて溢れていた。
少ししたらサブタンクの水量がもとに戻った。
高速走行後に見てもサブタンクの水量は
増えていなかった。
作業内容
① 水の量の点検
サブタンクの水が溢れたとのことなので、
ラジエーターとサブタンクの水量を点検。
サブタンクの水は少し減っていたが、
ラジエーターにはしっかり水が入っていた。
オーバーヒートの可能性を疑いながら点検。
吹き返し点検の説明はこちらから。
② アイドリングにて点検
アイドリング状態でサブタンクの水が増えるか
確認したが変わらなかった。
水温計も正常位置だった。
③ 試運転で点検
試運転を実施して水温計の上がり具合を点検。
水温計は問題なく正常位置だった。
停車後にサブタンクの点検をしたが、
水量変わらず。
④ 点検中にDPD再生に入る
アイドリング状態で点検していたら、
DPDの自動再生に入った。
しばらくするとサブタンクの水量が徐々に
増えてきた。
水温計を確認すると水温も徐々に
上がってきていた。
⑤ DPD再生時の状態をを点検
E/Gを一回止めて、スキャンツールを繋いで
DPD再生時の水温の確認をしたら
120℃まで上がった。
また水温の上昇にともないサブタンクの水も
増えていった。
DPD再生中のオバーヒートと判断。
⑥ オーバーヒートの原因を点検
まず、再生中の噴射量の数値を点検。
基準噴射量が「30㎣/st」に対して
数値が高いか低いかを確認。
基準値よりも低い数値だった。
また正常車両のDPD再生中のE/Gの回転数が
1000回転(各車両によりことなる)なのに
対して約700回転以下となっていたので
排気シャッターの閉じすぎを推測。
車両の下側に潜り排気シャッターを
外観で見たら錆による腐食がすごかったので
排気シャッターの不良と判断。
⑦ 排気シャッターの交換
排気シャッターを交換したら内部の錆もあった。
⑧ 再度DPDの再生を実施
DPDの再生を実施して水温の上昇と
サブタンクの水量が増えるか確認したが
異常なくDPDの再生は無事に完了。
⑨ 試運転
試運転にてE/Xブレーキの効き具合と
水温の上昇、サブタンクの水量を再確認して
異常なかったので修理完了です。
結果
排気シャッターバルブが不良のために
DPD再生時にシャッターが閉まりすぎて
オーバーヒートになってしまった。
噴射量についての補足
DPD再生中の噴射量の基準値「30㎣/st」
に対して点検車両の数値が
基準値より高い場合は
排気シャッターバルブが閉じすぎている。
基準値より低い場合は
排気シャッターバルブが開きすぎている。
と推測します。
またDPD再生中のE/G回転数が
基準1000回転(車両ごとに異なる)に対して
約700回転以下の場合は排気シャッターバルブの
閉じすぎです。
排気シャッターバルブが基準値よりも
閉じるということは目標噴射量を
多くしています。
参考までにどうぞ。
DPD,DPF、DPRの説明はこちらから