- 目次
- 参考車種データ
- 実際の症状
- 作業内容
- 結果
- 感想
参考車種データー
車名 | ギガ |
形式 | 不明 |
原動機 | 6WF1 |
初年度 | 不明 |
走行距離 | 不明 |
備考 |
雪国をよく走るため下回り腐食が酷かった。 |
4軸車両 |
弊社で車検後に1か月で故障 |
実際の症状
雪の日に大通りの下り坂で信号待ちの時にギヤが
抜けなくなり、クラッチを踏んでチェンジギヤを
無理やり動かしていたら「バック」ギヤに入った
まま抜けなくなった。
作業内容
① 現地に出張
大通りで止まってしまったために渋滞ができて
いるとのことだったので急いで現地に向かう。
現地に行くとお巡りさんがいて、点検に来たと
報告するとサンフレアーをくれた。
三角掲示板を出し周りに注意喚起をする。
② 状況確認
運転席に座りクラッチを踏んでギヤが抜けない
ことを確認。
クラッチ側に違和感を感じなかったので
ギヤの2重噛みがおきているのかと推測。
③ 車両の点検
下り坂とドライバーさんに車両を動かされる
のが怖いので歯止めをかけて下側に潜りこむ。
ドライバーさんにクラッチを踏んでもらい
パワーシフトを動かしてギヤを抜こうとしたが
抜けず。
クラッチブースターを見るとクラッチを踏む度
におかしな方向にブースター本体が動いていた。
よくみるとクラッチブースター本体の取り付け
部分が腐食し破損していた。
このためにクラッチを踏むとプッシュロッドと
ブースターの接点を中心に「くの字」に動き
油圧がしっかりと伝わらずクラッチが切れ
ないと推測。
(ギヤの2重噛みではなかった)
④ ドライバーさんに報告
クラッチブースターが破損していることを報告
し、止まってしまった場所が悪く渋滞ができて
いるので、何とか車両をこの場から動かしたい
ことを伝える。
⑤ 自走できるように考察
再度ドライバーさんにクラッチを踏んでもらい
パワーシフトを動かしてみたがギヤは抜けず。
下り坂であることと「バックギヤ」に入って
いることでギヤとギヤ効いてしまい抜けなく
なっていると判断。
荷台に荷物が詰まれていないとのことだった
ので、ダルマジャッキで後ろ軸を上げて
プロペラシャフトを回るようにするか、
車両の下に潜り、一瞬だけクランキングして
もらい車両が動いた間にギヤを抜くかの2択
と考察。
⑥ 会社と相談
どちらも下に潜り作業中に車両が動くことが
ありかなりの危険を伴うので会社に連絡をし
状況報告と作業を続行するか確認。
周りも暗く、雪も降っており無理をするなと
注意されたのでレッカーとクラッチブースター
の手配をすることに。
⑦ 会社に戻り整備準備
ドライバーさんに説明をしてレッカーが
来るまで待機してもらい、会社に戻り必要な
部品等の発注確認をして車両が来るまで待機。
前回、車検担当者に状況報告し作業を引き
継いでもらうことに。
⑧ レッカーにて車両入庫
クラッチブースターとロッド類を新品に交換し
クラッチのエアー抜きをして作動点検。
異常なく動きクラッチの切れ、つながり具合に
も問題なし。
⑨ 試運転
試運転にて異常ないため納車して完了です。
結果
クラッチブースター本体の取り付け部の腐食に
よる破損が原因でクラッチが切れなくなり
ギヤが抜けなくなりました。
感想
クラッチブースターの破損部分は非常に見え
ずらかったです。
この一件以来、年式の古い車両と錆が酷い
車両はよく点検するようになりました。
出張点検はかなりの危険を伴うことがある
ので状況判断を慎重にしてけが等がない
ように気を付けましょう。
参考までにどうぞ。
その他のトラック故障事例はこちらから