- 目次
- 参考車種データ
- 実際の症状
- 作業内容
- 結果
- 感想
参考車種データ
メーカー | ハマナ |
車軸数 | 1軸 |
ブレーキ | ディスクブレーキ |
備考 |
夜間に2人で遠方出張 |
実際の症状
車両積み込み作業後に出発したらトレーラー側の
ブレーキがロックして引きずってしまい自走不能。
作業内容
① 出張準備
夜中に電話をもらい急いで会社に行き出張準備。
ブレーキのロックとの話だったので大掛かりな
整備になると判断し、2人で行くことを提案。
現地にてハブを分解整備できる準備をして出発。
② 現地到着状況確認
高速道路で2時間かけ現地に到着。
早速、状況を確認。
アウトリガーを上げてトラクター側に歯止めを
してホイールパークを解除して足まわりの点検。
左ブレーキがロックして回らずローター周りに
鉄粉が多数ついていた。
右側は異常なし。
下に潜りキャリパーを見ると内側のディスク
パットが付いていなかった。
外側のパットも残量が1㎜ぐらいしかなかった。
パットが脱落して噛み込んだと推測。
③ 左側タイヤを取り外して点検
ホイールパークを引いてアウトリガーを下げて
タイヤのナットを軽く緩めて、アウトリガーを
上げてタイヤを取り外し。
(ナットがかなり固く大苦戦)
ローターとキャリパーの内側にパットが挟まって
噛み込んでいた。
ローターとキャリパーのピストンも当たって
しまっていたので「ガリガリ」になっていた。
④ 噛み込んだパットの取り外し
マイナスドライバーをハンマーで叩いてパットを
取り外し。(すんなり外れる)
⑤ ドライバーさんに報告
パットの脱落による噛み込みが原因と報告し、
現地での修理は不可能なので応急で自走できる
ようにする段取りを説明。
⑥ 反対側の(右側)のパットの残量点検
右側は今のところ異常ないが左側のような状態に
ならないとも限らないので、パットの残量を点検。
右側はまだ5㎜ぐらい残量が残っていたので脱落
することはないと判断して処置等せずそのまま。
もし残量が少ない場合はパットの取り外しを実施
する予定だった。
⑦ 左側キャリパーのピストンを縮める
ローターとキャリパーのピストンが当たってい
たのでブレーキを戻して当たらないように調整。
⑧ トレーラー側のブレーキを使えないようにセット
車軸ロックを解除し車軸を伸ばして、左右の
ブレーキチャンバーのセットボルトを伸ばして
エアーが無くなってもブレーキが効かないよう
にセット。
トラクターとトレーラーを繋いでいるエアー
ホースを取り外してトレーラー側のエアー
タンクのエアーを空にする。
エアーホースは踊り場とブースネックの間に挟み
こまないようにタイバンドで固定。
これでトレーラー側はブレーキが使えないが
転がすことができるようになります。
⑨ 左側のタイヤを取り付け
左側のタイヤを取り付けて車軸を格納しロックを
掛ける。
トラクター側のホイールパークを作動させて
からアウトリガーを降ろしてタイヤのナットを
規定トルクで締め付けて、トラクター側の
歯止めを取り外し。
⑩ ドライバーさんに再度確認
応急で自走できるようになったことを報告し、
トレーラー側のブレーキが使えないので
ジャックナイフ等事故が起こることもあるので
急ブレーキとスピードを出さないでゆっくり
安全運転をして弊社まで自走してもらうことを
確認して引き上げ。
⑪ 足回りの修理
車両が無事に弊社に入庫後に再度破損状態の点検。
破損があって交換した部位 |
左ハブベアリングの交換 |
左ローターの交換 |
左右パットの交換 |
左キャリパーの交換 |
左ABSセンサーの交換 |
上記の部品を交換。
部品の点数が多く欠品もあったため長期預かりに。
⑫ 試運転
試運転を実施異常なしのため修理完了です。
結果
パットの残量が無くなり脱落してローターと
キャリパーの間に噛み込んだことが原因の
ブレーキロックでした。
感想
故障の前に他の整備工場で定期点検整備を実施
していたそうなので、右側は5㎜ぐらいパットの
残量があったので点検ミスかなと思いました。
またかなりの高額修理にもなっているので、
パットも高いですが余裕をもって替えるように
した方がいいと思います。
参考までにどうぞ。
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