トラック故障事例 トレーラー整備

ハマナトレーラー ディスクブレーキがロックして自走不能のため出張

投稿日:2020年5月11日 更新日:

  • 目次
  • 参考車種データ
  • 実際の症状
  • 作業内容
  • 結果
  • 感想

参考車種データ

メーカー ハマナ
車軸数 1軸
ブレーキ ディスクブレーキ
備考
夜間に2人で遠方出張

実際の症状

車両積み込み作業後に出発したらトレーラー側の

ブレーキがロックして引きずってしまい自走不能。

作業内容

① 出張準備

夜中に電話をもらい急いで会社に行き出張準備。

ブレーキのロックとの話だったので大掛かりな

整備になると判断し、2人で行くことを提案。

現地にてハブを分解整備できる準備をして出発。

② 現地到着状況確認

高速道路で2時間かけ現地に到着。

早速、状況を確認。

アウトリガーを上げてトラクター側に歯止めを

してホイールパークを解除して足まわりの点検。

左ブレーキがロックして回らずローター周りに

鉄粉が多数ついていた。

右側は異常なし。

下に潜りキャリパーを見ると内側のディスク

パットが付いていなかった。

外側のパットも残量が1㎜ぐらいしかなかった。

パットが脱落して噛み込んだと推測。

③ 左側タイヤを取り外して点検

ホイールパークを引いてアウトリガーを下げて

タイヤのナットを軽く緩めて、アウトリガーを

上げてタイヤを取り外し。

(ナットがかなり固く大苦戦)

ローターとキャリパーの内側にパットが挟まって

噛み込んでいた。

ローターとキャリパーのピストンも当たって

しまっていたので「ガリガリ」になっていた。

④ 噛み込んだパットの取り外し

マイナスドライバーをハンマーで叩いてパットを

取り外し。(すんなり外れる)

⑤ ドライバーさんに報告

パットの脱落による噛み込みが原因と報告し、

現地での修理は不可能なので応急で自走できる

ようにする段取りを説明。

⑥ 反対側の(右側)のパットの残量点検

右側は今のところ異常ないが左側のような状態に

ならないとも限らないので、パットの残量を点検。

右側はまだ5㎜ぐらい残量が残っていたので脱落

することはないと判断して処置等せずそのまま。

もし残量が少ない場合はパットの取り外しを実施

する予定だった

⑦ 左側キャリパーのピストンを縮める

ローターとキャリパーのピストンが当たってい

たのでブレーキを戻して当たらないように調整。

⑧ トレーラー側のブレーキを使えないようにセット

車軸ロックを解除し車軸を伸ばして、左右の

ブレーキチャンバーのセットボルトを伸ばして

エアーが無くなってもブレーキが効かないよう

にセット。

トラクターとトレーラーを繋いでいるエアー

ホースを取り外してトレーラー側のエアー

タンクのエアーを空にする。

エアーホースは踊り場とブースネックの間に挟み

こまないようにタイバンドで固定。

これでトレーラー側はブレーキが使えないが

転がすことができるようになります。

⑨ 左側のタイヤを取り付け

左側のタイヤを取り付けて車軸を格納しロックを

掛ける。

トラクター側のホイールパークを作動させて

からアウトリガーを降ろしてタイヤのナットを

規定トルクで締め付けて、トラクター側の

歯止めを取り外し。

⑩ ドライバーさんに再度確認

応急で自走できるようになったことを報告し、

トレーラー側のブレーキが使えないので

ジャックナイフ等事故が起こることもあるので

急ブレーキとスピードを出さないでゆっくり

安全運転をして弊社まで自走してもらうことを

確認して引き上げ。

⑪ 足回りの修理

車両が無事に弊社に入庫後に再度破損状態の点検。

破損があって交換した部位
左ハブベアリングの交換
左ローターの交換
左右パットの交換
左キャリパーの交換
左ABSセンサーの交換

上記の部品を交換。

部品の点数が多く欠品もあったため長期預かりに。

⑫ 試運転

試運転を実施異常なしのため修理完了です。

結果

パットの残量が無くなり脱落してローターと

キャリパーの間に噛み込んだことが原因の

ブレーキロックでした。

感想

故障の前に他の整備工場で定期点検整備を実施

していたそうなので、右側は5㎜ぐらいパットの

残量があったので点検ミスかなと思いました。

またかなりの高額修理にもなっているので、

パットも高いですが余裕をもって替えるように

した方がいいと思います。

参考までにどうぞ。

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