- 目次
- 参考車種データ
- 実際の症状
- 作業内容
- 結果
参考車種データー
車名 | レンジャー |
形式 | BKG-FD7JLYG |
原動機 | J07E |
初年度 | 不明 |
走行距離 | 不明 |
実際の症状
E/G止めた後に再始動しようとしたがE/G掛からず。
クランキングしようとするが、すごく弱く「グッ」
と1回E/Gを回そうとして止まってしまう。
作業内容
① バッテリーの点検
E/Gのクランキングがバッテリーが上がって
いるような感じがした。
再始動前までE/Gは異常なく掛かっていたの
ですが、バッテリー上がりの可能性を考えて
バッテリーの点検を実施。
バッテリーは異常なし。
② セルモーターの点検
バッテリーの点検で異常がなかったので
セルモーターを外して点検、異常なし。
セルモーター取り外し時にE/Gリヤハウジング
のセルモーター取り付け部のところに
クラッチディスクのダンパースプリングの
破片が多数あった。
③ クラッチOH(オーバーホール)を実施
クラッチの残量自体はまだあったが、
クラッチディスクの不良による原因があるの
ではないかと推測して、クラッチOH(オーバ
ーホール)を実施。
クラッチディスクを点検したらダンパー
スプリングがガタガタになっていて、何ケ所か
なくなってた。
フライホイールの当たり面にはダンパースプ
リングが擦れたような、異常な摩耗、段付き,
波打ち、があり。
また、焼けた跡やクラックがあった。
フライホイールを外そうとした時にボルトを
外しているのに全くガタがでず、何かが効いて
いるような感じだった。
よく点検してみるとフライホイールとハウジ
ングの間にダンパースプリングが噛みこんで
いた。
無理やりフライホイールを外してハウジングを
点検したら、ダンパースプリングの噛み込みで
ハウジングが段べり、波打ち摩耗していた。
また、E/Gの回転センサーも損傷していた。
ハウジング側とT/M側をスプリング等の破片が
ないように綺麗に掃除をしてE/G回転センサーを
新品に交換し、クラッチをOH(オーバーホール)。
④ E/G始動点検
E/Gを始動させて異常なく掛かるのを確認。
⑤ スキャンツールで点検
E/G回転センサーが損傷していたため過去
コードの消去があるかもしれないので点検
したが過去コードなし。
⑥ 試運転
異常がないため修理完了。
結果
クラッチディスクのダンパースプリングの破損
によりフライホイールとハウジング間に噛み込
んでセルモーターの力ではE/Gが回せなくなっ
てしまったものだと思われる。
日野レンジャーではよくこの故障があります。
ドライバーさんの運転の仕方にもよりますが
あまり材質もよくないのかもしれません。
また、クラッチディスクがガタガタになって
くるとリヤハウジングの方から若干音が
出始めます。
参考までにどうぞ。
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