トラック故障事例

日野大型トラックプロフィア エンジン掛からず、ヒューズ切れする。

投稿日:2020年4月26日 更新日:

  • 目次
  • 参考車種データ
  • 実際の症状
  • 作業内容
  • 結果

参考車種データー

車名 プロフィア
形式 LKG-SH1EGAG
原動機 E13C
初年度 H24-5
走行距離 796876㎞

実際の症状

走行中にエンジンチェックランプ点灯し、エンジン吹け上がらなくなった。

1度エンジンを停止して再始動をしたがエンジン掛からず。

エンジンECU(メイン)ヒューズ切れあり。

作業内容

① E/G ECU(メイン)ヒューズ交換

ヒューズ切れをしていたので交換してIGN ONと同時にヒューズ切れた。

② スキャンツールにてダイアグコード点検

エンジンのみ診断 通信不可

(ECUメインヒューズ切れているためエンジンECUの電源がない)

全システム診断 CAN通信系異常コード多数表示

③ 配線図にて回路点検

IGN ONと同時にE/Gメインヒューズが切れる

のでE/Gメインヒューズ周りの配線図を点検。

下図はE/G ECU制御回路「E13C」の寛容配線図。

配線の色は白ー青です。

  • 電気の流れ方

E/G ECUメインヒューズ16

E/G ECUメインリレー
E/G ECUメインリレーを経由して4系統がECU電源、1系統がディスチャージヘッドランプ電源、もう1系統がサプライポンプPCV電源。

ECU ディスチャージヘッドランプ サプライポンプSCV

この6系統の電源線でIGN ONで作動するのは

サプライポンプPCVまたは4系統の電源である。

④ サプライポンプPCV点検

サプライポンプPCVとは
プレッシャーコントロールバルブと言います。SCVなどと一緒で燃料の流量を制御しています。

サプライポンプPCV1とサプライポンンプPCV2

のコネクターを取り外して、IGN ONにて

ヒューズ切れがおきなかった。

下の写真は車種が違うので参考までに。

  • サプライポンプPCV1とPCV2のソレノイド抵抗を点検

PCV1 35Ω
PCV2 約0Ω
PCV2の+端子とボディーアース間 約0Ω

以上の点検でPCV2のソレノイドでショートあり

と判明。確認のためPCV2のコネクターのみ

外してIGN ONでヒューズ切れず。

⑤ サプライポンプ交換

PCV単体での部品供給なしのためそっくり交換。

⑥ ダイアグコード確認消去

過去コード
P2634 サプライポンプ電磁弁2故障

現在コードないので消去

⑦ 試運転

試運転にて異常なし

結果

E/Gの始動ができなかったのは、

サプライポンプPCV2のショートによる

ECUメインヒューズ切れでした。

その他のトラック故障事例はこちらから

トラック整備 見出し2



トラック整備 見出し2



-トラック故障事例

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

三菱ふそう大型トラック6R10エンジン 水温オーバーヒート気味

長い上り坂で水温上がりオーバーヒート気味になる! 水温が上がる原因におもに考えられるのは、  ラジエーターに水がちゃんと入っているか(水漏れがないか)  エンジン吹き返しはないか(サブタンクの水が増え …

ラジエーターの水が減る症状と吹き返しがない症状を考察

目次 1 考えられる原因 2 各部位ごとの点検 3 水が減り吹き返しがなかった事例 4 まとめ 1 考えられる原因 ウォーターホース及びパイプからの水漏れ ラジエーターからの水漏れ ウォーターポンプか …

三菱ふそう大型トラック トラクターヘッドのPTO入らず。夜間出張点検

目次 参考車種データ 実際の症状 作業内容 結果 感想 参考車種データー 車名 スーパーグレート 形式 不明 原動機 6M70 初年度 不明 走行距離 不明 備考 トラクターヘッド 夜間出張 実際の症 …

イスズのフォワードDPD自動再生頻繁になる

目次 車両データ 作業内容 結果 車両データ 車種 フォワード 形式 TKG-FRR90 原動機 4HK1 初年度 H27-8 エキパイに再生専用のインジェクターが付いているタイプ 作業内容 納車時間 …

三菱ふそうファイター オーバーヒート及びE/G吹き返し(大)

目次 参考車種データ 実際の症状 作業内容 結果 参考車種データー 車名 ファイター 形式 PA-FK61FK 原動機 6M60 初年度 不明 走行距離 不明 実際の症状 高速走行時に水温が上がってオ …