- 目次
- 参考車種データ
- 実際の症状
- 作業内容
- 結果
- 感想
参考車種データー
車名 | スーパーグレート |
形式 | 不明 |
原動機 | 6M70 |
初年度 | 不明 |
走行距離 | 不明 |
備考 |
会社の近くの路上で自走不能 |
実際の症状
路上に一旦止まった後、発進しようとしたら
ギヤが入らずチェンジレバー「グラグラ」になった。
作業内容
① 現地に出張
路上故障とのことだったので応急対応ができる準備をして出発。
② 症状を確認
車両に乗り実際にチェンジレバーを動かすと
セレクト方向は抵抗がありリンクが動いて問題
なさそうだったが、シフト方向は抵抗がなく
「グラグラ」と動いた。
クラッチペダルを踏でクラッチブースターの
エアー排出音があったのでクラッチ側の異常は
ないと判断。
シフト側のロッドまたはリンクの外れがある
のではないかと推測。
③ シフト側のリンクロッドを点検
タイヤに歯止めをかけて車両の下側に潜り
シフトロッド及びリンク周りを点検。
パワーシフト連結部のロッドが外れていた。
ロックナットが緩んでねじ山がだめになって
外れてしまったようだった。
④ ドライバーさんに車両の状態と対応方法を報告
ドライバーさんに車両の状態を報告して、
クラッチ側に問題がないのとセレクト側も動く
ことから、パワーシフトを手動で動かしてギアを
2速に入れてゆっくり自走して整備工場まで移動
することを提案。
2速固定になるがクラッチを踏めば信号待ち等で
止まることができ安全性は確保されるので、
この方法を実施。
⑤ 応急対応
ドライバーさんにクラッチを踏んで2速方向に
チェンジレバーを圧しておいてもらいながら、
私の方でパワーシフトを手動で動かしてギアを
入れる。
私が車両の下から出て安全を確認できてから
合図を送り、クラッチを踏みっぱなしの状態で
E/Gを始動してもらう。
車両の後側に故障車両であることを示す
プレートを張り付けてハザードランプを点滅
させて周りに注意を促す。
ドライバーさんに走行時の注意事項を話して
理解できていることを確認できた後に歯止めを
外して私が前を先導するような形で走行を実施。
整備工場まで走行完了。
⑥ 故障個所を修理
工場に入庫後、再度故障部品を点検。
シフトロッドのロックナットが緩んでガタが
でてアルミでできている前後のジョイント部の
ねじ山が無くなってロッドが外れてしまった
ものと推測。
シフトロッドと前後のジョイント部を交換。
ギアの入り具合等を点検して問題ないので
修理完了です。
結果
シフトロッドの前後のロックナットが緩んで
しまったことが原因でジョイント部のアルミの
ねじ山が無くなってしまいロッドが抜けてしい
シフトチェンジができなくなって自走不可に
なった。
感想
この車種のシフトロッドのロックナットの緩みは
よくあります。
定期点検ごとにいつもロッド前後のロックナットの
締め付けをしていますが、かなりの台数緩んでいま
した。
今回は手動でパワーシフトを動かしてギヤを入れ
ましたが、これはニュートラルの状態だったので
ギヤが上手く入れらました。
ギヤが入っている状態だとギヤとギヤが効いて
しまっていてパワーシフトが動かないことが
あります。
その場合はプロペラシャフトを動くようにして
ギヤとギヤが効かないようにするやり方もあります。
一つの例として、パーキングブレーキを緩めて
車両を少し動かす、などがあります。
出張等で車両の下に潜る際には安全を考えて必ず
歯止めをしましょう。
車両が会社から近い場所だったので自走の方法を
選びましたが、遠い場合はレッカーを手配する
などのほうがいいと思います。
参考までにどうぞ。
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