目次
1 注意事項
2 吹き返しの原因と思われるもの
3 エンジン吹き返すとどんな症状か?
4 吹き返しの点検をするときの状況
5 お客さんに車の状態を確認しましょう!
6 実際に吹き返しているのか点検しましょう!
7 各部位の点検及び絞り込み方法
8 総論
9 吹き返しの故障事例
注意事項
吹き返しの点検は難しいので確実にこうだとは
言えませんが基本的な流れはこんな感じです。
吹き返しがないのに水が減る場合の考察はこちらから
オーバーヒートと水温が上がる原因の考察はこちらから。
吹き返しの原因と思われるもの
基本的に疑うところ
- エンジンヘッドガスケット不良
- エンジンヘッド不良(亀裂、ゆがみ)
- エアーコンプレッサーヘッド不良
ごくまれにある原因
- EGRクーラーの亀裂
- ラジエーターの詰まりによるエア抜け不良
- マフラー再生中の温度上昇で冷却水沸騰
- その他
エンジン吹き返すとどんな症状か?
基本的な症状
ラジエーター側の水が減りサブタンクに吹き返しの
エアーがポコポコきて水が増えます。
これはヘッドガスケットが抜けた場合は水のラインに
圧縮空気が入り込みサブタンクにエアーがいきます。
エンジンヘッドに亀裂があるとそこから圧縮空気が入り
サブタンクにエアーがいきます。
エンジンヘッド歪みの時もガスケット抜けと同じ症状になります。
ラジエーターの水が減るのは圧縮空気の高温で蒸発するためです。
吹き返しの点検をする時の状況
- 水漏れしてオーバーヒートのちレッカー入場
(水漏れ点検を実施し修理後に吹き返し点検)
- ラジエーター水減る
(水漏れ点検を実施し外に水漏れがない場合に吹き返し点検)
- サブタンク水増える
(ラジエター側に水が入っているか点検し入って
いなければ水を入れて、吹き返し点検)
- その他
お客さんに車の状態を確認しましょう!
吹き返しの点検をする前にお客さんに車の状態を聞きましょう。
- オーバーヒートしたのか
- 水量ランプは付いたのか(垂れてくるほど水漏れがあるのか)
- ラジエーターとサブタンクに水を足したのか
- またどのくらい水が入ったのか
- サブタンクの水は増えたのか
- サブタンクから水が吹いたか
- その他
実際に吹き返しているのか点検しましょう!
1 サブタンクの点検
まずサブタンクを見て冷却水が増えていないかサブタンクの
大気開放用のホースから冷却水が漏れてないか見ます。
サブタンクに水がが増えていれば一つの目安になります。
漏れていればまわりに冷却水の跡があり甘い匂いがしています。
2 ラジエーターの点検
次にラジエーター側の冷却水が入っているか見ます。
ここでラジエーターの冷却水が少ないようなら水を足して
すぐ漏れてくるようなひどい漏れ具合の時はその場所を
修理します。
修理後に水を入れてサーモを開かせ、エア抜きをして
吹き返しの点検をします。ラジエーターキャップを外し
クーラントファンネルと言う道具を付けて三分の一ぐらい
水を入れてエアーが出てくるか点検します。
エアー抜きを十分にやってもポコポコとエアーが出てくる
ようなら吹き返しありと判断します。
各部位の点検及び絞り込み方法
-
エアーコンプレッサーの点検
エアドライヤーの下側に冷却水が付いてないか、エアーが
溜まったときに甘い匂いがしないか確認します。
冷却水が付いていて甘い匂いがしたらコンプレッサーヘッドが
割れてる可能性が高いです。
次にエアーコンプレッサー上部にホースがあれば
そこを外して内部に冷却水があるか点検します。
冷却水があればヘッドの割れだと思われます。
エアータンクに冷却水が溜まることもあります。
エアータンクのエアーを抜いてエアーコンプレッサーを
作動させます。この状態で最初の状態よりもエアーが
多く出るようだとエアーコンプレッサーヘッド怪しいです。
上記の点検をして何ともなければ違うところを怪しみます。
-
エンジンヘッド及びガスケットの点検
エアーコンプレッサーが怪しくなければエンジンヘッド側
の点検をします。
ただこの時点でエアーコンプレッサーが問題なければ
だいたいエンジンヘッドまたはガスケットだと思われます。
エンジンの回転数を上げてエアーの出方を見ます。
ポコポコ来る量が増えるならヘッド側、怪しいです。
排気ガス探知液をつかって色の変わり具合を見ます。
色が変わるならヘッド及びガスケットが怪しいです。
変わらない場合は他を点検します。
EGRクーラーの内部亀裂でも色が変わります。
この排気ガス探知液は少しぐらいならあまり変わらず
ボコボコひどいときによく変わるので信頼性は薄いです。
出も変わったときは間違いないと思います。
-
EGRクーラーの点検
これは先ほどの排気ガス探知液で点検するのと
実際に外して中に冷却水があるか点検し、なければ外注に
水圧点検をしてもらいます。
-
ラジエーターの点検
エアーコンプレッサーが大丈夫そうで
排気ガス探知液が変わらないならエンジンヘッドまたは
ガスケットもしくはラジエーターの詰まりが考えられます。
ラジエーター内が錆びで詰まってエアーが抜けないのと
水の流れがうまくいかないのでサブタンクにエアーが
ポコポコくることもあります。
ラジエーターのアッパーホースとロアーホースを外して中をのぞいて
確認しましょう。錆がすごいようなら怪しいです。
-
マフラーの再生中に温度上昇で冷却水沸騰
マフラーの再生中に水温上がってサブタンクから水吹いた
みたいな情報をお客さんが言ってくれると思います。
原因としてはターボの制御またはシャッターの開閉不良
あたりだと思います。ラジエーターの水が沸騰して
サブタンクに水が増える現象です。
水温が上がる原因を探しましょう。
総論
まずエアーコンプレッサーの点検をして何ともなければ
ラジエーターの詰まりの点検をして問題なければ
EGRクーラーを取り外して外注に出して水圧点検
異常がなければヘッドガスケットの点検及びヘッド
外注水圧点検の流れでいいと思います。
- エアーコンプレッサー
- ラジエーター
- EGRクーラー
- ヘッドガスケット及びヘッド
この点検を基本の流れとして作業してもいいと思います。
吹き返しが小さい場合はどこが異常なのかわかりにくいです。
原因の特定が難しいときはまず簡単に修理できるところ
からやらしてもらって一か所づつ怪しいところを
消していくのがいいと思います。
参考になればうれしいです。
吹き返しの故障事例
イスズのフォワード 4HK1エンジンのラジエーター水漏れオーバーヒート